第35回

2019年11月26日(火)〜12月1日(日)
東北電力 グリーンプラザ

審査員作品/金子美智子「静寂」

展覧会

概要
「河北写真展」は、河北新報社が主催の東北を題材とした写真の全国公募展です。
会期
終 了
2019年11月26日(火)〜12月1日(日)
10:00〜18:00(最終日は:16:00まで)
入場料
無料
会場
東北電力 グリーンプラザ

更新情報

入賞作品

※画像をタップすると拡大します

東北の風景

特選・河北賞

作品画像
「雲上雲下」
撮影地:石巻市

相沢開 石巻市

審査員コメント

初見でトップになるのではないかと思うぐらい、群を抜いていた。うっすらと霧のかかった夜景が絶妙。幻想的な色合いで表現できている。雲海と同じ高さで工場の煙を写せる機会はめったにないはずだ。気象の変化をよく読んで、的確に撮影場所を選んでいる。

準特選

作品画像
春待ちわびて
撮影地:山形県小国町

中村タマエ 東京・江東区

審査員コメント

画題と同じく、まさに春を待ちわびているようだ。満開の桜とともに残雪を映し出して、春の名残を感じさせる。山から下りてきた霧の情景も素晴らしい。どの要素も欠けては不十分で、良い条件に恵まれている。何度も通わなければ巡り合えなさそうだ。

JAL賞

作品画像
曲線美
撮影地:青森県鶴田町

石﨑敦子 千葉・船橋市

審査員コメント

桃色に染まった空と橋が水面に反射し、シンメトリーになっているのが美しい。サギは突然飛来してきたのだろうか。良い構図で撮れている。鳥のようにさらに飛躍してほしいという思いでこの賞に選んだ。

青森県知事賞

作品画像
戯(たわむれ)
撮影地:仙台市若林区

伊勢勝太郎 仙台市青葉区

審査員コメント

波と砂浜のバランスがちょうど良い。鳥たちが波の強弱に沿って、何度も行ったり来たりしている様子が感じられて、心が楽しくなる。飛んでいる1羽から「早く走るんだ」という声が聞こえるかのようだ。

秋田県知事賞

作品画像
波の旋律
撮影地:宮城県亘理町

小檜山裕行 角田市

審査員コメント

「なんだこの模様は」と興味を覚えた。砂浜の先端だけ赤く見えるのがきれいで、暗めに撮ることでうまく強調できている。人が歩けば簡単に崩れてしまいそうな場所だ。よく見つけたと感心した。

宮城県知事賞

作品画像
夕暮れのメタセコイア
撮影地:仙台市青葉区

阿部香織 仙台市青葉区

審査員コメント

暗く重い空に太陽が沈み、メルヘンな世界を感じさせる。メタセコイアの配置が素晴らしく、赤みのある露出で優しさも表現できている。この場面に居合わせて、感動しながら撮ったのではないか。

富士フイルム賞

作品画像
秋焉(秋おわる)
撮影地:にかほ市

青木威世男 仙台市太白区

審査員コメント

この場所は審査員もよく訪れる。白いススキと小高い山に差し込む光を写したのがうまい。湿地帯であることも熟知しているのだろう。あえて太陽を入れず、霧がかかった部分を主役にしたのがすてきだった。

キヤノン賞

作品画像
月に雁
撮影地:栗原市

太田吉厚 仙台市宮城野区

審査員コメント

月の模様をこれほどきれいに見せるのは難しく、驚かされた。藍色の空に写るガンもバランス良く収めている。シャッタースピードの調整がうまく、どれもぶれていない。経験の豊富さが感じられた。

ペンタックス賞

作品画像
雲上青峰
撮影地:米沢市

清野政幸 郡山市

審査員コメント

山並みに程良くかかっている雲の様子が素晴らしい。山の青色は薄かったり、深かったりとグラデーションに富んでいる。高い場所まで自ら登って撮ったのだろう。東山魁夷を連想させる作品に仕上がっている。

東北の暮らし

特選・河北賞

作品画像
頑張るおばあちゃん
撮影地:秋田県五城目町

加藤悦子 秋田市

審査員コメント

東北の暮らしが一目で分かる。雪の中で野菜を売るおばあちゃんの姿は映画の一場面のようだ。どんな人生を送ってきたのか想像をかき立てられる。撮影者の温かいまなざしが反映され、技術以上に、どんな被写体をどんな瞬間で捉えるかの大切さが伝わる。

準特選

作品画像
カヤ刈
撮影地:石巻市

竹内邦昭 石巻市

審査員コメント

しっとりと落ち着いた色合いが美しい。空の色とカヤの色が調和した絶妙な時間帯だ。刈り取りをして束ねて、という一連の作業の工程もよく見える。動きがちょうど良く出た構図だ。カヤが採れる場所は全国的にも少なく、記録写真としての価値も高い。

岩手県知事賞

作品画像
雪中みそぎ(蘇民祭)
撮影地:奥州市

尾形昌文 仙台市青葉区

審査員コメント

ここまで迫力のある祭りの写真は見たことがない。細かい水しぶきが光に反射した絶妙な瞬間を捉えた。水をかぶる若者の勢いが伝わる。後ろに続く人々の姿から、住民が伝統を守っている様子も感じられる。

山形県知事賞

作品画像
漁をする小舟
撮影地:石巻市

石﨑純 仙台市太白区

審査員コメント

光の美しさが目を引く。海面にこぼれ落ちた太陽の光の中に、船が浮かんでいる情景。絶妙な瞬間を撮影した。静かな中にも、上がったへさきに動きがあり、漁をしている時の海の手触りが伝わってくるようだ。

ニコン賞

作品画像
日の出と共にワカメ漁へ
撮影地:塩釜市

木村有一 塩釜市

審査員コメント

朝の静かな海の中、漁に出る船のエンジンの音が聞こえてくるようだ。へさきを上げて進む様子にはスピード感があり、太陽の光と船首が一致した構図も良い。船と島、奥の稜線が並んでいて立体感がある。

東北放送賞

作品画像
いっぷく
撮影地:大崎市

木村文武 多賀城市

審査員コメント

農作業の合間のひとこま、昔から変わらない風景をてらいなく撮った。ゆったりと一服している様子が、4人の表情から伝わる。斜めに横切るあぜ道が、穏やかな写真のアクセントと奥行きになっている。

東北のスポーツ

特選・河北賞

作品画像
まかせて!
撮影地:仙台市宮城野区

中野好太郎 仙台市宮城野区

審査員コメント

お互いの豊かな表情が心に響いた。ランナーが踏み出す次の一歩と、バトンを受ける手には躍動感がある。「まかせて!」「頼んだ」といったやりとりがそのまま聞こえるかのようだ。後ろで記録を計測する役員らの真剣な表情との対比も面白い。

準特選

作品画像
躍動
撮影地:天童市

矢田目敏弘 山形市

審査員コメント

ハードルを中心にして、左右対称の構図を取り上げたのが巧みだ。跳び越える寸前の選手たちと、これから着地しようとする選手たち。その二つのドラマを見せてくれる。撮影できるたった1回のチャンスをバランス良くしっかり押さえている。

震災からの復興

福島県知事賞

作品画像
「追想」
撮影地:相馬市

鈴木登美夫 仙台市青葉区

審査員コメント

遠くに見えるのは立ち枯れした木だろうか。被災前は違う風景だったのだろう。取り残された場所があるというメッセージが伝わる。人物とバケツの配置も効果的。何を思っているのか、想像をかき立てられる。

東北電力賞

作品画像
八年目の松林
撮影地:仙台市若林区

藤原靖也 仙台市太白区

審査員コメント

これは何だ、と目を引く作品。防潮林をつくっているのだろう。遠くに防潮堤や津波から残った木が見える。大きな林になるまでどれだけ時間がかかるのか。建物や道路だけではない、復興のありようが伝わる。