コラム:ベトナム(上)

 2月28日、トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、ベトナム(Vietnam)の首都ハノイ(Hanoi)で会談を行いましたが、合意には至らず、予想外の展開となりました。

 ベトナムについて最近耳にし、驚いたことが二つあります。

 一つは、ベトナムに観光旅行に出かけた知人たちが異口同音に「行ってよかった!」「豊かな国だ」と感想を述べているのです。ベトナム戦争があったことを知っている世代の人たちの目には、国土の復興は驚きの光景に映るのかもしれません。

 もう一つは、石巻専修大学に在学している外国人は現在6人ですが、皆ベトナムの留学生なのです。中国からの若者がほとんどだったころと比べると隔世の感があります。

 私たちにとってベトナムと言えば、「ベトナムに平和を!」と叫んで、デモ行進をした学生時代が、つい昨日のことのように思い出されます。かつてベトナム戦争に"No!"と拳を上げた若者たち...

 トランプ大統領をはじめアメリカの「団塊の世代」(babyboomers = ベビーブーマーズ)はベトナムにどのような思いを抱いているのでしょう?

 私はここであの悲惨な戦争、およびアメリカ人のベトナムに対する意識を探るつもりはありません。このコラムの本題である「イングリッシュ」について述べたいと思います。

 「ベトナム人」は英語で Vietnamese(ヴィェトナミーズ)と言います。「日本人」はご存知 Japanese。さらに「中国人」は Chinese(チャイニーズ)ですね。いずれも共通するのは語尾"-ese"(-ズ)。偶然でしょうか?

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)