コラム:オンラインとウェブ(下)

 前回、話題にした「オンライン」の「ライン」について少しお話ししましょう。ご承知のように「ライン」は英語の line で「線」を意味しますが、さまざまに用いられます。

 まずは電話〔線〕( telephone line )。たとえば、The line is busy. は「電話線は忙しい」=「話し中」ということです。

 また、鉄道の路線もライン。正式には railroad line です。「仙石線」は Senseki Line 。ただし、「東北新幹線」は Tohoku Shinkansen と言いますね。

 さらに、物干しもライン。hang out the washing on the line は「濡れたシャツを物干しにかけて乾かす」という意味になります。物干し竿は laundry pole ですが、特にイギリスではロープのようなヒモ( line )に洗濯物を干すのが一般的です。

 行列も line で表します。英国では queue(キュー)とも。 a long line of people waiting to get tickets で「切符を買うために順番を待つ人の長い列」。

 また、読書家の皆さんへ。line には文章の「行」という意味があります。「上から3行目」は the third line from the top となります。 read between the lines と言うと「行間を読む」というお馴染みの表現に。

 私が英語のやりとりでよく用いる表現が、 Drop me a line, will you? 「お便りくださいね」や、Drop me a line when you get there. 「そこに着いたらお便りください」。この a line は、日本語の「一筆」にあたります。Write me a line. でもかまいませんが、 Drop me ... とするところが、ポストにポンと手紙を投げ入れる、つまり「投函する」という日本語の語源ではないかと推測してしまうくらい面白い表現だと思っています。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)