俳句(2/1掲載)

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【石母田 星人 選】


木の芽風動き出したる耕土かな   東松島市あおい/大江和子

【評】4日は二十四節気の立春。よく見ると樹木の芽吹きも始まっている。膨らんだ芽を揺らす柔らかな風が、春の訪れを告げる。眼前には孫兵衛の手がけた耕土。その土の輝きに目覚めの息遣いを感じた作者。


薄闇の交換駅や受験の子   石巻市流留/大槻洋子

【評】上五の薄闇が巧み。ここは早朝とか夕暮でも分かるが、受験の子の心情につながる言葉で詠んだ。


どげんしたと博多のナース冬暖か   東松島市野蒜ケ丘/山崎清美

【評】「どげんしたと」は博多弁で「どうしたの」くらいの意。親しみやすく優しい響きでこのナースの人柄も分かりそうだ。季語「冬暖か」もぴったり。


冠雪の山々はるか冬銀河   石巻市小船越/芳賀正利

国訛両手で包む雑煮椀   松島町磯崎/佐々木清司

たてがみは忍の一字や寒立馬   多賀城市八幡/佐藤久嘉

作為なき文字の有様初硯   石巻市丸井戸/水上孝子

さつきまで孫らの声やごまめかむ   東松島市矢本/菅原京子

見得を切る寄り目掛け声初舞台   石巻市元倉/小山英智

朝まだき餅花ゆらぐ農はだて   石巻市桃生町/西條弘子

受験子の握るお守り青の色   石巻市流留/和泉すみ子

初挽きのモカの香りに包まれて   東松島市あおい/下山慶子

すりくるみ添へて賑はふ雑煮もち   石巻市渡波町/小林照子

初写真小さく丸く元気です   石巻市中里/川下光子

大国の攻撃またぞ三日かな   石巻市広渕/鹿野勝幸

ひとつ老いジムにマシンの初日の出   石巻市新館/高橋豊

鍬ふるう野生のごとく冬の空   石巻市桃生町/佐藤俊幸

山茶花の一花鎮もる千の蕾   石巻市開北/ゆき

早梅や思ひのままに綻びぬ   東松島市赤井/志田正次

公園のブランコに乗る春の風   石巻市蛇田/石の森市朗

お互ひに鱈の口して師走かな   石巻市二子/小松道男

成人の金襴緞子冬うらら   石巻市小船越/三浦順子

初詣産土神よ風の声   石巻市駅前北通り/小野正雄

獅子頭優雅な舞で春を呼ぶ   石巻市水押/小山信吾

偉大なる樹氷溶け出し山に春   石巻市清水町/日陰のわらび