河北新報特集紙面2025
2025年10月1日 河北新報掲載
東日本大震災の発生から15年、被災の知見から多くを学ぶ。
東日本大震災の発生から15年、
被災の知見から多くを学ぶ。
東日本大震災の発生から15年が経過します。
本年度は、被災地に寄り添って伴走するプロジェクトの
原点はそのままに、
被災地域の今を見つめ直すことに注力しながら、
いつ起こるのか分からない災害への備え
を学ぶプログラムにも取り組みます。
震災の記憶が薄れつつある今、
復興に向け歩んだ過程を学び直し、
身近で起こり得る災害への備えを進めねばなりません。
各地で躍動する地域再生の歩みを応援し、
新たな可能性の道筋を開く3つのプログラムを用意しています。
1
賛同企業・一般参加プログラム
※詳しくは10月6日の朝刊をご覧ください。
次世代継承の現場を訪れ、
津波被災物に学ぶツアー
- 気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館と
杉ノ下地区、リアス・アーク美術館を訪ねる - 気仙沼向洋高等学校旧校舎を襲った津波の爪痕を、当時そのままに公開している「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館」。若い語り部を育成する拠点にもなっており、地元の中高生を中心に約80人が登録しています。ツアーでは、震災前後に生まれた語り部にガイドを依頼し、世代を超えた教訓伝承の現場に触れた後、住民の3割にあたる93人が犠牲となった杉ノ下地区で遺族会慰霊碑を訪れます。
震災後の2年間にわたる被害記録調査により、「リアス・アーク美術館」に新設された常設展示「東日本大震災の記録と津波の災害史」。この企画を担当したのが館長の山内宏泰さんです。山内さんのガイドで常設展を見学し、約500点もの資料や多角的な視点から震災への考察を深めます。
【ツアー実施】
2025年11月8日
2
賛同企業・一般参加プログラム
※詳しくは10月15日の朝刊をご覧ください。
仙台市 減災推進課×今できることプロジェクト
都市型災害に備えるスキルを磨く
防災・減災ワークショップ
(協力/仙台市危機管理局 防災・減災部 減災推進課)
- 仙台市防災・減災アドバイザーと一緒に非常事態への備えを学ぶ
-
仙台市の都市部は生活利便性が高い反面、人口が密集するがゆえ、巨大地震や内水氾濫の発生時に災害リスクが高まる傾向にあります。物流とインフラが広範囲で途絶した東日本大震災では、仙台の都市機能が麻痺。多くの市民が長期にわたって不自由を強いられました。
今年度の今できることプロジェクトでは、仙台市危機管理局減災推進課ご協力のもと、災害リスクへの理解を深め、大規模な自然災害の発生時に推奨される在宅避難や帰宅困難とならないための備えなどの自助・共助を学ぶ実践型ワークショップを新たに実施します。仙台市防災・減災アドバイザーの指導のもと、日常生活や職場における災害への備えを強化し、皆さまの防災力向上に寄与することを目指します。
【ワークショップ実施】
第1回:2025年11月18日
第2回:2026年 1月22日
3
賛同企業・一般参加プログラム
3.11メモリアルネットワーク×今できることプロジェクト
被災地視察ツアー
(公社)3.11メモリアルネットワークのスタッフがガイドとして同行し、
ご案内するツアーを実施します。
- ❶「復興のトップランナー、震災を未来へつなぐ取り組みを共有するツアー」
- 防災集団移転事業の先鞭をつけた「まちびらき」から10年。その成功例として知られる玉浦西地区を訪問し、3.11からの歩みと現状を視察します。相野釜公園千年希望の丘では、語り部の話に耳を傾けた後、仙台空港で復興を後押しした取り組みを学びます。
【ツアー実施】
2025年12月3日予定
- ❷「被災後の住民パワーに触れるツアー」
- 被災体験や支援への感謝を伝え継ぐ市民参加型ミュージカルの上演映像を野蒜地区で鑑賞後、防災集団移転団地あおい地区を訪問。大曲地区では、大学生が語り部を行う姿に接します。また、地元の被災企業ヤマニシで、津波から従業員の命を守った経緯をお聞きします。
【ツアー実施】
2026年2月4日予定
- 河北新報社が考える
被災地支援プロジェクトは、
地域の可能性を発信し、
記憶を継承する取り組みへ。 - 東日本大震災からの復興を果たすため、「今、私たちにできることは何だろう?」という真摯な問いかけから、2012年に活動がスタートしたこのプロジェクト。被災地訪問ツアーや情報発信支援、参加者が現地で汗を流すボランティア活動など、年度ごとに企画や内容の拡充を図り、アクションの幅を広げてきました。さまざまな派生プロジェクトにも取り組みながら、この活動は新たな可能性を模索し続けます。