年の瀬。贈り物が全国の空を飛び交う季節です。「お歳暮」はまさに我が国の国民的行事と言えます。
私の知る限り、欧米にはこのような習わしはありません。その代わり、Merry Christmas! があります。考えようによっては Christmas presents にも「1年のお礼をこめて」といった意味がこめられているのかも...。
さて「お歳暮」は英語でどう表したらいいでしょう。
End of the year gift や Year-end gift(いずれも「年末の贈り物」)では、ちょっと味気ない。
やはり Oseibo と言って、our cultural tradition to give gifts at the end of the year to your family, friends ...(年の暮れに家族や友人などに贈り物を贈るわが国の風習)などと簡単な説明を加える必要がありますね。
「贈り物」を表す英語は present と gift ですが、デパートなどのお歳暮の売り場ではもっぱら「ギフト・コーナー」で「プレゼント・コーナー」とは言いませんね。両者には微妙な違いがあるようです。
さて、gift には「生まれつきの才能」という意味があることはご存知でしょうか。英語で「与える」は give 。gift はこの give と同語源の言葉です。言うなれば「天から与えられたもの」。a gift for music で「音楽の才能」です。「天賦の才」とは言い得て妙、神さまからの贈り物ということでしょうか。
人はだれしも生まれてくる時に左右両方の握りこぶしに「可能性」と「才能」の二つを握って出てくるとのこと。このだれもが等しく与えられた貴重な贈り物を生かし、自分と社会の幸せのために役立てることができるか...。わたしたち自身の課題と言えます。
大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)