【水戸一志 選/評】
◎年齢には逆らえずガタがきた体を、このように明るく詠めることに拍手を送りたい。中七のオノマトペ(擬声語)と漢字熟語のマッチングも楽しい。川柳は単なる言葉遊びや語呂合わせとは一線を画するが、言葉の切れ味、響き合いは技巧とみる。
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◎ どの部位もポキポキ古希と音がする (石巻市須江・市川つね子)
あんこ餅正月来たぞ舌笑う (石巻市桃生町・佐藤俊幸)
初詣で健の一字を祈るのみ (石巻市蛇田・鈴木醉蝶)
年賀状余り川柳投句する (石巻市向陽町・佐藤功)
お年玉もらいバイバイ孫帰る (石巻市桃生町・高橋冠)
甘く見て暮れにゴーンと逃げられる (石巻市築山・飯田駄骨)
初ごよみ外科歯科眼科そろい踏み (東松島市赤井・川元とき江)
インフルエンザ施設の母を遠ざける (石巻市蛇田・大山美耶紀)