コラム:ネズミの年

 新年のお喜びを申し上げます。

 年末の強風とともにイノシシたちは走り去り、元旦のカウントダウンとともにネズミたちが舞台に躍り出てきました。これで十二支( the twelve horary signs )は、一回りしました。次にイノシシ君( boar )が登場するのは12年後というわけです。

 さて、ネズミ君を英語で何というでしょう?

 「知らないの?!」「マウスだよ。mouse と書くんだ」と、幼い子どもたちに笑われそうですが、「では『3匹のネズミ』ってどう言うの?」と聞き返すと皆黙ってしまいます。

 これは意外と知られていないようです。以前、授業で3人の学生に尋ねたら3人とも「マウセズ」mouses と...。やむを得ないことです。ディズニーのキャラクターは何匹いても「ミッキー・マウス」で定着していますから。それに「ミッキー・マイス」というのは何となく言いにくい。

 a mouse は、3匹で three mice となります。

 「sを付ければ複数形」と学校で習いましたが、英語には例外があるのです。「子ども」child の複数形は children(チルドレン)、「足」foot は feet などのように。

 それからネズミを表すもう一つの英語があります。rat(ラット)。こちらは野生的でドブネズミのような実験に利用されるネズミです。一方、mouse は可愛らしく、ペットとして飼うような小型のネズミで「ハツカネズミ」として区別されます。

 最後に mice が登場するよく知られた英語のことわざを紹介しましょう。

 " When the cat's away, the mice will play. "(猫がいないうちにネズミたちは遊ぶ。)

 これに近い日本語のことわざは何でしょう。正解は次回に。「鬼」が出てきてちょっと怖いですが。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)