コラム:この世は全て舞台 ― お芝居の英語

 「コロナ禍を逆手に新手法 『のぞき見演劇』が開幕」...先月16日の石巻かほく紙面に、このような見出しの記事が載りました。11月に開催が予定されていた「第5回いしのまき演劇祭」が、COVID-19による感染を考慮し来年に延期になった中で、芝居への熱き思いを灯し続ける石巻演劇人たちの情熱には Hats off!(脱帽)です。

 私もお芝居とは縁がないわけではありません。大学時代、「シェークスピア研究会」といった英語劇サークルに所属し、演劇の世界に誘われました。最も、人前で演じるのは大の苦手。出演したのはシェークスピアの「アセンズのタイモン」と、チェーホフの「結婚申し込み」だけ。あとはもっぱら「裏方」でしたが。

 歌舞伎や能の研究者で、British Englishを話すオーストラリア出身の先生の指導の下、スタッフ・役者一同、全て英語で打ち合わせと稽古。そんな活動で学んだ舞台用語をいくつか紹介しましょう。

 楽屋 back stage
 上手 stage left
 下手 stage right
 袖 wings
 客席 audience seats
 照明 stage lighting
 音響 sound effects
 大道具 setting
 小道具 properties   などなど。

 実は、なかなか理解できなかった用語があります。dress rehearsal(ドレス・リハーサル)です。コスチューム(costume)をステージ上で披露するのかと思いきや、さにあらず。「総ざらい」と言って、本番に臨む前の最後のリハーサル。つまり、衣装を着て本番さながらに行うリハーサルなのです。

 勉強一筋の大学生活ではありませんでしたが、英語劇サークルの活動を通じて「生きた英語」に触れ、シェークスピアをはじめ欧米の伝統的文化を学ぶことができたのは、大きな収穫でした。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)