コラム: 関税

 「関」は街道の要所や国境に設け、戦時における防衛あるいは通行人や物品の検査に当たった所を指します。古代においては軍事的目的で設置され、中世には関銭が幕府・豪族・寺社の重要な財源となりました。徴収を目的として各所に設けられたのですが、交通・商業の障害となったようです。近世には幕府・諸藩が治安維持のために設置したものの、1869(明治2)年に廃止されました。

 「関」は barrier (バリアー)がふさわしい英訳でしょう。最も有名で歌舞伎や芝居に登場するのは「安宅の関」ですが、英語に直せば the Barrier of Ataka となります。

 私たちにお馴染みなのは「一関」でしょう。ウィキペディアで歴史を探ってみました。平安後期まで俘囚の長として奥六郡を支配した安倍氏が一の関、二の関、三の関と砦を築いた事によるという説など諸説ありとのこと。

 さて、「関税」は英語でどう表すでしょう。 tariff 、 duty が一般的です。

◆ tariff の用例
  a tariff on imported goods, which protects the domestic industry,
  (自国産業を守るため輸入商品にかける関税)

◆ duty の用例
  export duty.
  (輸出税)

 「税」は身近で重要なものとは分かっているのですが、その仕組みについては不明な私です。これを機会に勉強してみたいと思います。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)