たくさんある中から最初に選んだのは次の諺(ことわざ)です。
A drowning man will catch at a straw.
(溺れるものわらをもつかむ)
drown は「ドラウン」と発音し「わらをもつかむ」は catch a straw ではなく、 catch at a straw となっています。これは「困った時は何にでもすがる。頼りにならないものにすがる。どんな機会にもすがろうとする」といった意味を表します。
私は小学1年の時、川に落ちました。その時のことを今でも覚えています。幸い近くにいたボート屋のお兄さんに助け出されましたが、以来、どう努力しても泳ぎは苦手です。
straw と言えば、学生の頃覚えた句を思い浮かべます。
The last straw.
連続的に起こる嫌な出来事のうち最新のものを指し、「我慢の限界」ということです。
It's the last straw that breaks the camel's back.
「たとえ最後に載せるのがわら一本であっても、限度を超えたら、ラクダの背骨が折れる」という諺から、意味としては、「我慢の限界を超えるもの(こと)」「最後の決定的な一撃」「破滅のきっかけとなる最後の小さな出来事」「ちょっとしたことだが我慢できないこと」などがあります。
ラクダを使った同じ意味の諺としては、
That last mistake was the(last)straw that broke the camel's back.
もあります。「あの最後の間違いで堪忍袋の緒が切れたよ」という意味です。
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熱心な読者の皆さまのおかげで、本コラムも400回となりました。今後ともタイムリーな内容を心がけたいと思いますので、よろしくお願いします。
大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)