コラム: 語学の必須は暗唱

 中学生の英語の暗唱大会を聴く機会がありました。次から次と登壇し日頃からの努力の結果を披露する...いずれの学生も堂々としていました。

 今は昔、古びた教育委員会の建物で英語の暗唱大会が開かれ、そこに出席したことを思い出しました。あの頃のレベルはお恥ずかしいほど低かったのを覚えています。暗唱した文を言うのがやっとで、発音まで手が回らないようでした。

 暗唱と言えば、諺(ことわざ)は手っ取り早いでしょう。人類の英知が込められているだけでなく、言いやすいことも魅力です。英語の諺をいくつか紹介します。

   Never put off till tomorrow what can be done today.
   (今日できることを明日に延ばすな)

   No pain no gain.
   (何事も苦労なくしては得られない。苦労はつきもの)

   Seeing is believing.
   (目にすることが信じることである。百聞は一見に如かず)

   When in Rome do as the Romans do.
   (ローマではローマ人のように振る舞え、郷に入っては郷に従え)

   Strike while the iron is hot.
   (鉄は熱いうちに打て)

 語学屋を自認する私が出合ったのが次の諺。

   Still waters runs deep.
   (静かな流れは深い)

 考えの深い人はべらべらしゃべらない。「能あるタカは爪を隠す」に近いかもしれまん。

 たまたま聴いた中学生の英語の暗唱大会でしたが、多くのことを学ばせていただきました。大いに刺激を得たと言えるでしょう。日本の英語教育もここまで来たかと感心させられた次第です。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)