コラム: アントニウスの演説

 映画「クレオパトラ」をみる機会がありました。圧巻は何と言ってもアントニウスの演説です。

 妻のクレオパトラ(正式名称はクレオパトラ7世)は、世界三大美女の一人で世界の歴史上で最も有名な女性。エジプト・プトレマイオス朝の最後のファラオ(王)です。カエサル( Caesar =英語での読み方はシーザー)、アントニウス( Antonius )というローマ帝国の2人の英雄と結婚したことでも知られています。英雄2人を惑わせたのだから魅力的な女性であったことは確かでしょうが、絶世の美女であったかどうかは議論されたまま謎に包まれています...。

 シーザーの演説は世界史の教科書にも載るくらい有名ですが、それが本当かどうかは不明です。

 まず、シーザーを殺した理由をローマ市民に向かってブルータスが演説します。それは群衆の理性に訴えるものでした。群衆は納得します。

 そのあと壇上に立ちアントニウスが語ります。

   Friends, Romans, countrymen, lend me your ears;
   わが友人、ローマ市民、同胞諸君、耳を貸してくれ。

   I come to bury Caesar, not to praise him.
   わたくしはシーザーを葬るために来た、たたえるためではない。

 以下、省略しますが、この演説でアントニウスは人々の心をしっかりと掴むのです。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)