先月、夏になったことを書き忘れてしまいました。
八十八夜は雑節のひとつで、立春を起算日(第1日目)として88日目(立春の87日後の日)に当たります。21世紀初頭の現在では平年なら5月2日、閏年なら5月1日。この日に摘んだ茶は上等なものとされ、この日にお茶を飲むと長生きするともいわれています。
では、なぜ立春から数えて88日目を八十八夜と呼ぶようになったのでしょう。
それは、農業に従事する人々が多かった昔の日本社会で、ちょうどこの頃が種まきや田植えの準備、茶摘みなど春の農作業を行う時期にあたっていたからです。八十八夜の数日後には二十四節気でいう「立夏」になることもあり、昔の人々はこの時期を「夏の準備を始める目安」ととらえていました。
最後に有名な歌の英訳を試みてみましょう。
「茶摘」 文部省唱歌
1.夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは茶摘ぢやないか
あかねだすきに菅(すげ)の笠
2.日和つづきの今日此の頃を
心のどかに摘みつつ歌ふ
摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ
摘まにや日本の茶にならぬ
Cha‐tsumi
1.Summer is approaching
Green leaves are carpeting
the fields and hills
Look, the new leaves of
the tea trees are picked up
The people are in their rosy
outfits and suge-kasa
2.Blessed with good weather
The people are singing
While picking the new leaves
Pick up the new leaves
And they will surely be good tea ...
大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)