川柳(12/15掲載)

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【水戸一志 選/評】

◎アフガニスタンで凶弾に倒れた医師の中村哲さんは、飢餓対策として不毛の地にかんがい用水を引く活動をしていた。犯人らに、中国の故事「飲水思源」(最初に井戸を掘った人の苦労を思え)は通じなかった。上五の痛ましやに代わる言葉はない。

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◎ 痛ましや救いの医師が銃の的  (石巻市蛇田・鈴木醉蝶)

  即位礼神代のドラマいま学ぶ  (石巻市蛇田・佐藤久子)

  シュレッダー今や政府の隠れみの  (仙台市青葉区・吉田真一)

  記録ない時間が経つと記憶ない  (石巻市大街道・岩出幹夫)

  受験生熱いうどんでひと休み  (石巻市湊・小野寺徳寿)

  クリスマス借りる靴下3L  (東松島市矢本・斎藤勝彦)

  勇気ある撤退できぬお年玉  (東松島市赤井・佐々木スヅ子)

  健康に老いのすべてが救われる  (石巻市あゆみ野・日野信吾)