コラム:冬、来たり

 秋の柔らかな日差しに映えていた紅葉の季節も終わり、いつの間にか寒い季節の訪れとなりました。「寒いですね!」が行き交う人々のあいさつになっています。

 さて、「冬が来た」を英語でどう表すでしょうか。

 さまざまな表現がありますが、まず思いつくのが Winter has come. でしょう。「来た」からと言って Winter came. と過去形にしたのでは、過去の出来事になってしまいます。「冬がやってきて今も冬」という意味を表すには has come とするのがいいでしょう。これは文法では「現在完了形」と言いますね。

 あるいは Winter is here.(冬は今、ここ)という簡潔な言い方も可能です。Winter is here and it's getting colder. とすれば「冬です、日ごと寒さがつのります」...演歌の一節の英訳みたいですが。

 さて、TVなどの気象情報を見ながら思い浮かぶのは「冬将軍」。

 ちょっと古い言葉ですが、絶妙な表現だと思います。これは、ヨーロッパの将軍がどうしても勝てなかったロシアの冬のことを将軍にたとえた言葉とされています。ナポレオン(Napoleon)しかり、「独ソ戦」で敗退を余儀なくされたナチスドイツしかり...。

 英語では General Winter あるいは General Frost と表します。General(ジェネラル)は「将軍」、Frost は「霜」です。

 また、親しみをこめてか、Old Man Winter(冬オヤジ?)あるいは Jack Frost(霜太郎?)などとも言います。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)