川柳(12/22掲載)

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【水戸一志 選/評】

◎薬局はくすりを売る店という常識が、どんどん変わっている。医薬品に化粧品が加わり、さらに食料品や雑貨も当たり前になっている。消費者はすぐに慣れるが、その変化に感性が響けば、この句が生まれる。川柳に重要な観察とは、そういうことだ。

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◎ 薬局でビールにパンとバナナ買い  (東松島市矢本・奥田和衛)

  元日があっという間に大晦日  (東松島市矢本・後藤新喜)

  物思い沈むよりまず煤(すす)払い  (石巻市渡波町・小林照子)

  地球ごと火星に移住する夜空  (東松島市矢本・阿部房枝)

  欲は無いぐっすり眠り目を覚ます  (石巻市蛇田・大山美耶紀)

  八十路坂電池交換強いられる  (石巻市不動町・新沼勝夫)

  文明の暮らし十指の鈍くなり  (東松島市矢本・菅原れい子)

  花見の名簿破棄に団結ワンチーム  (石巻市桃生町・忖度放恣)