「ドローン」...この言葉を初めて聞いた時、ninja(忍者)のことかと思いました。幼い頃、霧隠才蔵や猿飛佐助などの大のファンでしたから。
後になって、これはハチのブーンという低い羽音を意味する英語の drone に由来することを知り、ちょっと驚きました。
それが過日観たイギリス映画「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」( Eye in the Sky、2015年)に登場。主役のイギリス軍大佐を演じるのは、「クィーン」(06年)でアカデミー主演女優賞を獲得し大英帝国勲章を受勲したヘレン・ミレン( Dame Helen Mirren )。イスラム過激派のアジトを上空から監視し、命令しだいではミサイルを撃ち込む大型の無人機。これは「捕食者、略奪者」を意味する Predator(プレディター)と呼ばれるものです。これも含めて「ドローン」には多種多様な機種があり、正式名称はUAV( Unmanned Aerial Vehicle=無人航空機)。
この映画では、家に侵入し、梁(はり)にとまって中の様子を映像で送る羽虫のドローンまで登場します。これらは軍事用に開発されたものですが、最近、私が注目するのは自然や旅をテーマにしたTVでの活躍です。例えば「黒部峡谷の源をたどる」といった番組では、ベテラン山岳カメラマンが操作する小型のドローンが渓谷の奥まで入り、普通ではとても見ることができない映像を送ってくれます。
このような平和目的の Eye in the Sky(空の眼)の進歩を期す一人です。
大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)