川柳(12/29掲載)

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【水戸一志 選/評】

◎新年を迎える準備を感慨深く詠んだ一句。掛軸の絵柄は例年の鶴亀だが、令和となって最初の新年であることを思えば、向き合い方が違う。新しく国民のシンボルとなられた天皇、皇后両陛下のお姿を重ね、「末永く」と念じたことだろう。

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◎ 掛軸に令和ことほぐ鶴と亀  (東松島市矢本・畑山講也)

  イノシシが都会にかぶれ山を捨て  (東松島市矢本・奥田和衛)

  電話鳴るすべて詐欺だと聞いている  (石巻市向陽町・佐藤功)

  金華サバ私と同じ脂乗り  (東松島市矢本・遠藤恵子)

  押し迫りあれもこれもと気が焦る  (石巻市桃生町・西條和江)

  金持ちの自慢話に寄るネズミ  (石巻市大街道・岩出幹夫)

  荷を下ろし家が一番旅行会  (石巻市蛇田・佐藤久子)

  慎重にくしゃみするにも身を構え  (石巻市泉町・丹野江湖)