【水戸一志 選/評】
◎喪中はがきの型通りの文面から、人の縁の濃淡を思う-。毎年十二月上旬はその時季である。大半は、ああそうかで済む。しかし、同年代の友人や世話になった先輩が逝き、その家族からのものは寂しく、つらい。順番はだれが決めるのだろうか。
===
◎ 喪中はがき年毎増える寂しさよ (石巻市不動町・新沼勝夫)
GSOMIA隙間で北がほくそ笑む (東松島市赤井・片岡シュウジー)
2号機がそろり合格稼働待つ (石巻市蛇田・鈴木醉蝶)
謙遜の陰で自信が見え隠れ (石巻市蛇田・梅村正司)
夫婦仲あさの鼻唄までそろう (東松島市矢本・菅原京子)
いきいきと笑顔集まる百歳体操 (石巻市不動町・青沼敬次郎)
病院へ行くのに合わせ美容院 (石巻市泉町・丹野江湖)
お手玉に台風つめて投げてみる (石巻市須江・市川つね子)