【水戸一志 選/評】
◎旧北上川が仙台湾に注ぐ河口を見下ろす日和山。高さはないが、頂上からの眺めの壮大さは石巻市民の自慢である。伊達政宗が仙台築城の際、候補地の一つに挙げたとも伝わる。パンデミックで引きこもりを余儀なくされているとき、こうした句は救いである。
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◎ 日和山立てば天下が欲しくなり (多賀城市八幡・佐藤久嘉)
行く用事次々消されお宅する (石巻市桃生町・佐藤俊幸)
無観客気持ち入るかプロ選手 (石巻市水押・佐藤洋子)
休みです最初うれしやもう飽きた (石巻市開北・安住和利)
朝日浴び免疫アップ深呼吸 (東松島市矢本・遠藤恵子)
AIもウイルスの一手読めなそう (東松島市矢本・川崎淑子)
世の中に銭ほど嫌なものはない (東松島市矢本・斎藤勝彦)
三〇キロハードル高い避難先 (石巻市あゆみ野・日野信吾)