2025年度石巻かほく「俳句」 佐々木清司さん、初の最優秀賞

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 2025年度「石巻かほく」俳句の最優秀賞に、松島町磯崎の佐々木清司さん(74)が決まった。優秀賞は石巻市流留の大槻洋子さん(78)と多賀城市八幡の佐藤久嘉さん(79)。佐々木さんは初の最優秀賞受賞となる。俳句欄選者の石母田星人氏(仙台市)が選考した。

◇選者・石母田氏の評

 最優秀賞は佐々木清司さん。<縄文の女神たおやか水澄めり>では、国宝の土偶「縄文の女神」が持つ普遍的な美と存在感を際立たせた。ほかに、ブーケの描く放物線と青い小春の空が印象的な<手を離れブーケは空へ小六月>や<春暁や夢はいつでも多面体><ポケットの中にも枯野古着市><ひと駅は短編ひとつ雪列車>。投句3年目の作者。柔軟な発想で豊かな詩心を見せてくれた。特に本年度は、皆が詠まない、句になりにくい難しい対象に挑戦。素直な実感を巧く句に仕立てた。今後の精進に期待したい。

 優秀賞1人目は大槻洋子さん。<銀漢や谷をへだててひとつの灯>。この銀漢と人間のともす灯の構図は、単なる写実の域を超えている。時空間の広がりが深い詩境へ誘う。ほかに<ごつごつと武骨に生きて花は咲く><羽織紐とくや落語の寺の秋>。

 優秀賞2人目は佐藤久嘉さん。<輪唱で大河をわたる鯉のぼり>。鯉のぼりが群れ泳ぐさまを捉えた「輪唱」の表現には独自性があり好感。ほかに<夕立に勇気授かる野辺の草><津波田に元の風情や青田風>。

 本年度は上質な句が多く、高橋豊さん<花筏オール浮かしてボート行く>、田舎里美さん<初蝶や畝に歓喜を播くやうに>などにも注目した。

 

受賞者の声

【最優秀賞・佐々木清司さん】

primary-000.jpg 受賞の知らせに、間違いじゃないかと驚きました。
 作句を始めたのは現役時代。30年前には俳人芝不器男(しばふきお)の作品を愛好する同人たちと勉強会「荒星(あらぼし)会」を結成し、今も月1回作品を批評し合っています。多作のタイプではなく、月5~10句でしょうか。
 ここ30年近く、毎年秋に妻と京都を旅しています。紅葉狩り、寺院、俳句ゆかりの地などを巡ります。旅の途中にも句やインスピレーションは浮かびますが、すぐ忘れてしまいます。
 句帳を使う人もいますが、キーワードなどは付箋にメモをしています。歩いている時、眠っている時、日常さまざまな場面でアイデアは降ってきます。一気に一句丸々できることはなくて、メモを後で整理します。
 山形県中山町の出身です。1992年に松島町に移り住みました。観光地があって人の出入りが多く、刺激の多い町です。創作の着想が得られることもあります。
 石巻かほくには2023年に投稿を始めました。数少ない作品から、さらに整理して投稿しています。通勤で何十年と乗り続けたJR東北線や仙石線の列車、趣味の囲碁も題材に使いました。
 知らない言葉や古語の文法などは、高校や大学の教員だった友人たちに教えてもらいます。単なる写生よりも、叙情性を大事にしていきたい。いろいろな人と交わりながら、ゆっくり俳句を作っていければいいなと思います。