
震災の風化が言われ始めた発災から10年を控えた2020年度に始動した取り組み。発災時はまだ幼く、発災当時の記憶が定かではない仙台圏の中学生が、宮城県沿岸の津波被災地を取材、同世代に向けた新面作りにプロジェクト事務局が伴走。
3.11の1か月前に完成する「震災伝承新聞」は、県内184校の中学校に6万部をお届けしたほか、2万部を各地の震災伝承施設などで配布、仙台市内と石巻市の公立図書館で収蔵・公開しています。2025年度からは異なるアプローチで若き記憶の担い手たちに活動してもらっています。

年度ごと事務局が参加を要請する仙台圏の中学校3校から各6人~10人が参加、各校が1か面を担当。事務局メンバーが取材のノウハウを伝授するオリエンテーションを取材前に実施。中学生記者は7月から9月にかけて県内3沿岸地域を取材し、震災を知らない中学生に向けた記事を各校3テーマずつ執筆。
取材後は事務局が対面で原稿をブラッシュアップするワークショップを1~2回実施し、年内に校了した原稿を河北新報社の新聞制作システムで紙面化。新聞の完成後、中学生記者が取材成果を校内で共有する発表会をオンライン併用で実施しました。

3校の取材活動と新聞の完成後に実施する校内発表会の模様を紙面特集(10月と3月)でレポート。2万余の人命が失われた東日本大震災の教訓を、次世代(=縦軸)と〝災間(災害と災害の間)〟にある地域(=横軸)にも共有すべく、阪神淡路大震災で被災した兵庫県西宮市や、南海トラフ地震で津波浸水が想定される愛媛県今治市の中学校などで、震災伝承新聞を教材として活用いただきました。2024年度は、能登半島地震と豪雨災害で被災した石川県輪島市の門前中学校に事務局が働きかけ、震災伝承新聞を参考に修学旅行で訪れる東京の県アンテナショップで配布する自分たちの伝承新聞作りに挑戦しました。

被災地取材に参加した生徒による「震災の記憶を持ち合わせていない自分たちが震災の教訓を受け継ぐ」確たる決意を綴った同世代に向けたメッセージは、震災伝承新聞で紹介しています。その言葉からはメディアや本から「知る」ものだった震災を、被災地を訪れて爪痕を目撃し、人の肉声を通して受け止め、肌で感じた言葉として発信する一連の作業を通して考察が深まる様子が見て取れます。
活動年度を総括する総集編には、中学生の取材に同行した引率教諭の声を過去5年紹介しましたが、学校の学びでは得難い体験だったことが一様に語られています。
歴代の震災伝承新聞はこちらからご覧いただけます
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2020年度

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2021年度

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2022年度

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2023年度

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2024年度

これまでのレポートはこちらからご覧いただけます
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2025年度

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