河北新報特集紙面2019

2019年10月06日 集いの森が海岸線を縁取る100年後の未来を思い描いて。

集いの森が海岸線を縁取る100年後の未来を思い描いて。

かつては、海沿いに約120ヘクタールにも渡って広大な松林が生い茂っていた亘理町東部沿岸部。
浜風と高潮の被害から内陸部の住宅や田畑を守ってきたこの海岸林を再生するために、2015年から植樹活動を続けてきたのが「特定非営利活動法人わたりグリーンベルトプロジェクト」です。
地域の人々の暮らしを守る森を育て、未来へ継承することを目的とした「おらほの森」づくりをお手伝いするボランティアバスツアーを開催します。
さらに、被災高齢者のコミュニティー再生と生きがいづくりを目的とする「おらほの畑」で、秋の実りを収穫する農作業体験にもチャレンジしてもらいます。

豊かなふるさとの森を取り戻すために。

 震災後、亘理町民が参加して意見を出し合ったワークショップから始まり、沿岸地域の復興マスタープランとして展開している同プロジェクト。沿岸部の盛り土工事が完了した2015年から植樹活動に着手し、今年度中には、14ヘクタールを超える敷地に約4万4000本の常緑針葉樹・落葉広葉樹の苗を植える予定となっています。植樹した後も、地元の人たちを中心に維持管理を担い、次世代へ受け継がれる集いの森を目指しているという代表理事の嘉藤一夫さん。この活動に情熱を注ぐ理由を聞くと、「地域住民の方々に、自然豊かな故郷の森を取り戻すという、未来の夢を見せたくて」と語ってくれました。

地域の先人たちと一緒に和気あいあいと農作業。

 「おらほの森」づくりを活動の軸に据えながら、ボランティアツーリズムや地元小学校での総合学習なども企画・実施しており、さらに、事務局のある地域の敷地に地域菜園「おらほの畑」を造成。さまざまな農作物の栽培を近隣の高齢者たちと実践中です。なかでも、東北では珍しい落花生の栽培に注力しています。大学で学んだ環境教育分野の知識を生かしながら活動を支えるスタッフの東聖史さんも、お年寄りたちと一緒に畑仕事で汗を流す一人。「ここの畑で育てている落花生は粒が大きく、茹でても炊き込みご飯にしても美味しいんですよ」と、両手いっぱいに落花生をのせて笑顔。プロジェクトの活動を支える収益とするべく、より多くの収穫量を目指して頑張っています。

わたりグリーンベルトプロジェクト代表理事の嘉藤一夫さん(写真左)とスタッフの東聖史さん

特定非営利活動法人わたりグリーンベルトプロジェクトとは

 亘理町震災復興計画事業の一つとしてスタートし、「暮らしやすさ」と「亘理らしさ」があふれる、豊かな緑地・水辺の創生を目指して活動中。震災による津波で大部分を失った亘理町東部沿岸部の海岸林を再生させる「おらほの森」づくりを柱に、活動の意義を学ぶボランティアツーリズムや小学校での総合学習、熱気球フェスティバルなどを実施。同団体の自活も目的とした「おらほの畑」づくりにも精力を注いでいます。

www.watari-grb.org

NPO法人ボランティアインフォがサポート

 「ボランティアを求める人とボランティアをつなげる」をミッションに、仙台を拠点に活動。このボランティアツアーのコーディネートを担当し、当日もガイド役として参加者をご案内する予定です。

http://volunteerinfo.jp

亘理町「海岸林の植樹と農作業体験」バスツアー参加者募集!

旅行期日 11月2日(土)日帰り

旅行代金 1名につき1,000円大人・子ども(小学生以下)同額

募集人員/60名(最少催行人員20名) 食事条件/朝0回、昼1回、夕0回 添乗員/仙台駅より全行程同行します
行程/利用貸切バス会社名:みちのく観光
▶9:00 仙台駅東口より出発(貸切バス)
▶10:00 鳥の海スマートIC着〜「おらほの森」植樹予定地へ
▶10:15 わたりグリーンベルトプロジェクトメンバーの指導で植樹作業・防潮堤見学 
 ※海岸林入口から植樹地および防潮堤への移動は徒歩となります。
▶12:20 吉田公民館で昼食(はらこ飯弁当)
▶13:30 「おらほの畑」で農作業体験
▶14:40 「わたり温泉鳥の海」で日帰り入浴・「鳥の海ふれあい市場」でお買い物
▶17:30 仙台駅東口到着解散

※当日の天候によってはボランティア活動の行程が中止になる場合もあります。

【ご旅行内容に関するお問い合わせ】
旅行企画・実施(株)JTB仙台支店 観光庁長官登録旅行業第64号 (一社)日本旅行業協会正会員
〒980-0804 仙台市青葉区大町1-4-1 明治安田生命仙台ビル4F 
TEL 022-263-6712(平日9:30~17:30)FAX 022-263-6693

参加条件 
①「今できることプロジェクト」の趣旨に賛同し、ボランティア型支援についての理解をより深めたいと考えている方。
②当日配布するアンケートに記入いただけること。
③当日写真ならびに映像撮影させていただき、新聞および特設HP・facebookに掲載させていただく場合があることをご了承いただける方。

※高齢の方、もしくは持病(重度の喘息等)や障害をお持ちの方は、ボランティア活動時や災害発生時の安全確保の観点から、主催者の判断で参加をお断りする場合があります。予めご了承ください。

参加希望の方は 
ハガキまたはメールに、代表者の住所、氏名、年齢、電話番号(日中連絡がつきやすい電話)、参加希望人数、参加者全員の氏名と年齢、参加希望動機をご記入の上、下記応募先までお送りください。

応募締切/10月21日(月) ※当日消印有効

※※応募数多数の場合は抽選となり、当選者には、詳しい旅行条件等を記載した書類を10月25日に郵送いたしますので、ご確認のうえ旅行代金のお振込みとともに旅行お申し込みをお願いいたします。
※申し込みにあたりご提供いただいた個人情報は、お客様との連絡のほか、当プロジェクト推進のために当プロジェクトを主催する河北新報社へ提供いたします。

応募先

【はがき】
〒980-0804 仙台市青葉区大町1-4-1
明治安田生命仙台ビル4F
(株)JTB 仙台支社
「11月2日出発亘理町ボランティア」係

【メール】
hsendai2@jtb.com
※係名を必ずご記入ください。

これまで実施してきた「ボランティア型支援《バスツアー》」

プロジェクト2年目(2013年度)活動先:塩釜市浦戸諸島(NPO法人High-Five)

プロジェクト3年目(2014年度)活動先:名取市閖上地区(3.11閖上追悼イベント実行委員会)

プロジェクト4年目(2015年度)活動先:気仙沼市内湾地区(ONE-LINE 気仙沼クリスマスイルミネーション 実行委員会)

プロジェクト6年目(2017年度)活動先:南三陸町「海の見える命の森」(一般社団法人KOTネットワーク本吉)

プロジェクト7年目(2018年度)活動先:気仙沼市「一景嶋神社」(一般社団法人 気仙沼復興協会)

今回の「今できること」の紙面をPDFで見る