河北新報特集紙面2019

2019年10月22日 海を望むにぎわいの中心で互いに手を取り合う未来のために。

海を望むにぎわいの中心で互いに手を取り合う未来のために。

 女川駅から海に向かうレンガ道のプロムナードに沿って、おしゃれな店舗がいくつも軒を連ねる「シーパルピア女川」。
この港町がにぎわいの拠点となり、観光や催しなどに集まる盛んな人の流れを生み出してきました。
そんな復興への機運が高まるとともに、住まいの環境整備も着実に進みましたが、新しい居住エリアが町の中心地から離れてしまう状況も見受けられます。
今できることプロジェクトは、女川の町づくりによって生まれた活気と未来への期待を町内外の方々に感じてもらいながら、地域コミュニティーの結びつきを再確認する機会づくりを目指します。

港町を中心に復興が進む女川の「今」。

 新しい女川の町づくりに注力してきたキーマンの1人である女川町観光協会会長の阿部喜英さん。地域の産業振興や雇用促進などを目標に掲げながら、「町外から人を呼び込むのに、観光や買い物を楽しんでくれる環境を整えることが大切だと考え、若い世代が中心となって魅力ある町づくりを推し進めてきました。そんな思いに同調する多くの人たちが今、中心市街地を力強く支えています」と、シーパルピア女川の躍進の理由について教えてくれました。そして、女川町社会福祉協議会の矢竹拓さんは、被災住民の見回り活動を振り返りながら「壁の薄い仮設住宅の住み心地は不便なことばかりでしたが、近隣との濃密な関係性を育むきっかけとなっていました。住み替えが進む今、新しい環境に寂しさを感じる人も少なくないようです。シーパルピア女川の盛況も、中心部から離れるほど受け取り方に温度差があるように感じます。そんな住民の方々にも中心部に足を運ぶ機会を増やしてもらい、新しい街並みに誇りを感じてもらいたいですね」と切望していました。

地域への誇りと愛情を言葉につづって歌に。

 大きな変化の中でかつての街並みの記憶が薄れつつあるなか、懐かしい思い出を呼び起こすイベントが行われました。2015年4月と17年5月の2回、石巻市の岡田劇場の協力を得て、昭和30年代の女川町で撮影を行った古い映画作品の上映会を実施。スクリーンに映し出されたのは、クジラやカツオ漁で大いに潤う魚市場や商店街のにぎわいでした。女川町教育委員会生涯学習課の加納純一郎さんは、「年配の方はみんな、当時の盛況を思い出して喜んでいました。エキストラとして協力した人も多く、私の妻も出演していたそうです。この映画の上映会は、古き良き時代の思い出に浸るだけでなく、若い世代の人たちと女川の昔と今を語り合うきっかけにもなったようです」と振り返ります。  本プロジェクトは、3回目となる女川町民を対象にした懐かしの映画上映会を企画。そして、町外の参加者と一緒に地域の素晴らしさを再発見しながら、女川の未来を描くオリジナルソングを制作する取り組みにチャンレジします。

女川町観光協会 会長


阿部 喜英さん
社会福祉法人
女川町社会福祉協議会事務局 主事
地域福祉係ボランティアセンター担当

矢竹 拓さん
女川町教育委員会 生涯学習課
社会教育指導員

加納 純一郎さん

①懐かしい女川に会える映画鑑賞会

上映作品 あの波の果てまで 完結編(1961年製作/104分)

◎監督/八木美津雄 ◎原作/大林清 ◎出演/岩下志麻、津川雅彦ほか

 大林清が脚本を手掛けた人気テレビドラマの映画化3部作の完結編。岩下志麻さんと津川雅彦によるラブストーリーで、当時、漁業で大いににぎわっていた女川町内が撮影の舞台となっています。たくさんの町民の皆さんもエキストラで出演しています。

開催日/11月16日(土) 時間/開場10:40、上映11:00  定員/250人   参加無料
会場/女川町生涯学習センターホール(女川浜字女川178番地 KK-8街区1画地)

※女川町にお住いの方限定のイベントです

②伊東洋平さんと一緒に女川町のオリジナルソングを作ろう!

 仙台を拠点に活躍するアーティスト伊東洋平さんと、女川町のオリジナルソングを作ります。地域の魅力を語り合い、その言葉を歌詞にして当日レコーディングを行います。完成した曲は、後日CDとしてお送りします。

期日 11月16日(土)  参加無料

時間/受付13:45、開始14:00(15:30終了予定) 定員/50人
会場/女川町まちなか交流館(女川町女川浜字大原1-36)※現地集合

参加条件 
①「今できることプロジェクト」の趣旨に賛同し、女川町への支援についての理解をより深めたいと考えている方。
②当日配布するアンケートに記入いただけること。
③当日写真ならびに映像撮影させていただき、新聞および特設HP・facebookに掲載させていただく場合があることをご了承いただける方。

※高齢の方、もしくは持病(重度の喘息等)や障害をお持ちの方は、ボランティア活動時や災害発生時の安全確保の観点から、主催者の判断で参加をお断りする場合があります。予めご了承ください。

シンガーソングライター伊東 洋平さん
アコースティックポップデュオ「イケメン’ズ」のリーダーとして活動後、2014年5月に活動を終了。同年夏、ソロとして新たにスタート。《笑顔を届ける》ことを軸に置いた音楽活動をメインとしながら、楽曲提供やMCなど形にとらわれず幅広い活躍をみせている。

オリジナルソングづくりの参加者へ特別にプレゼント


イメージ

一般社団法人コミュニティスペースうみねこが運営する「果樹園カフェ ゆめハウス」(女川町)と、洋菓子店シェフが手掛けるふわふわの生地が人気の「食パン専門店 ジェノワーズブラン 大和町店」がコラボレーション。このイベントのために特別に作ってもらった、女川産のイチジクを練り込んだオリジナル食パンを1斤プレゼントします。

参加希望の方は

①と②どちらに参加希望か明記の上はがきまたは応募フォームに、代表者の住所、氏名、年齢、電話番号(日中連絡がつきやすい電話)、参加希望人数、参加者全員の氏名と年齢、参加希望動機をご記入の上、下記応募先までお送りください。

応募締切/11月5日(火) ※当日消印有効

応募多数の場合は抽選とさせていただきます。当選者にのみ参加券を事前にお送りします。

応募先

【はがき】
〒980-8660(住所記入不要)
河北新報社営業部
①「今できることプロジェクト女川映画鑑賞会」係
②「今できることプロジェクト女川オリジナルソング」係

【応募フォーム】

応募専用フォームはこちら

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